人材育成アカデミー。


先日職場の代休を活用し、つくば市国際会議場で行われた「人材育成アカデミー」という無料のセミナーに参加した。


この人材育成アカデミーの主催は水戸市にあるNPO法人雇用人材協会さん。
『「働く」にまつわる様々なサポートを通じ、誰もが安心して幸せに暮らすことが出来る活気溢れる地域社会作りを目指す』ことを理念として精力的に活動している。


この人材育成アカデミー、3.11の震災など日本を取り巻く逆境を乗り越えるためにこれからの社会・組織を担う「若手の力」にスポットを当て、逆境に負けない「強い組織づくり」を目指すことを目的とし、連続講座形式で開催されているもので、その講師陣が大変魅力的な方々ばかり。


今回の講師は、ホテルに関して多少知識のある方であれば間違いないくご存知であろう、リッツカールトンホテルカンパニー元日本支社長の高野登さん


最近良く聞かれる「おもてなし」「ホスピタリティ」。これらを極めたプロフェッショナルの高野さんからは、多くの見識に富んだ様々なヒント(職場に活かすためのヒント)が講演中出された。以下にその言葉を記してみたい。


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人は他人から聞いた、本で読んだこと等を基に、自分の中にある知識・常識で物事をとらえようとしてしまう。その発想を転換することが必要だ。あなたの目の前に見える景を、今までと違った見方でとらえよ「常に考える」ことを忘れるな。
 
「サービス」と「ホスピタリティ」は全く別ものであり、「サービス」を極めたからといって「ホスピタリティ」が向上するものではない。
【例】お客様に「何を」を提供するか・・おいしい物を提供する(=サービス)
   お客様に「どう」提供するか・・おいしく物を提供する(=ホスピタリティ)


常に問題意識を持て。「時は流れるもの」ではなく「時は積み重なるもの」とせよ。


「こんなつまらない仕事ばかり・・・」と言う人がいる。この人は「仕事」ではなく「作業」をしているに過ぎない。作業と仕事の境界は、そこに「目標」と「目的」があるかないかだ。


人には「忘却曲線」というものがあり、常に物事の「74%」は忘れてしまうもの。忘却を防ぎ組織での目標・目的を明確にするため(「私は何の為にこの会社にいるのか」を明確にするため)、皆で毎日目的を共有すべき。「俺たちの仕事は何か」を皆が共有することが重要なのだ。


強い人間関係を築くために、「はげます力」「ほめる力」「しかる力」それぞれを鍛える必要がある。そのために「心の筋トレ」を毎日欠かさず行おう。


最も身近にいる人(=家族)の心に寄り添うことが出来なければ、職場の仲間の心に寄り添うことなどできない。職場の仲間の心に寄り添うことが出来なければ、お客様の心に寄り添うことなどできる訳がない。


会社に入ったばかりの新入社員はモチベーションが高いと良く言われるが、本質はそうではない。彼らは「テンションが高い」だけなのだ。そのテンションが高いうちにモチベーションの種まきを怠らないこと。会社の思いを彼らに語り続けることが重要だ。


「あの〜」がつく人材となれ。そのために、自分にしかできないことを自分で考えよ。もがやっていることを誰もやっていないレベルで実行せよ


「気づきの力」を養うため、俯瞰で自分を見つめ、自分中心で語るのではなく、相手に寄り添う語りかけをせよ。


「商品を売る・買う」という言い方は売り手側に立った言い方。お客様にとっては「夢・物語を買う」ものである。


ブランドとプロミス(約束)は表裏一体。ブランドを構築し維持する為には約束を破ってはならない。


従業員は雇用者にとって「お金を届けてくれる存在」である。「人を使う」という表現を使ってはならない。「人を活かす」と言うべきだ。


理念を理念のまま説こうとしても思いは伝わらない。理念を「物語」に変えて伝えることで人は格段にイメージしやすくなる


普段の何気ない日常の中で「気づく力」「気遣いの力」を養うこと。例えばいつもの通勤路を「旅」と自分でとらえ、それを365日実践してみよ。そうすれば景色が変わって見えるはずだ。


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いま、この文章をセミナー当日ひたすらメモしたノートを見ながら書き起こしてみたが、どれも本当に心と頭ににすっと入る珠玉の言葉ばかりだ。


自己研鑽の目的で参加しているこの人材育成アカデミー、自分自身の仕事への取り組みに多くのヒントを与えてくれる。
13時半から17時まで行われた今回のセミナー、3時間半という一般的に見れば長い時間、ひとときとして飽きることのない、充実、そして濃密な時間であった。


最後に私自身が最も印象に残った高野さんの言葉を記したい。




自分にできること、自分にしか出来ないこと。自分が生まれてきた意味を意識する。それをお金をもらいながら実践できる場所、それが『職場』だ。こんなにステキなことがあるだろうか。

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